京都丹平

今日、タクシーに乗って運転手さんと話してたら、写真の話になった。彼はアマチュア写真家で、「京都丹平」というクラブに入っているらしい。「えっ」と思ってよく聞いてみると、丹平写真倶楽部の流れをくむ団体らしい。丹平写真倶楽部とは、1930年に大阪心斎橋の丹平ハウスを本拠地として結成されたアマチュア・クラブである。今名古屋で回顧展(→http://www.art-museum.city.nagoya.jp/2004/YasuiNakaji.html)が行われている安井仲治を中心として、前衛的なモダニズム写真を追究していた(←教科書みたいな解説!)。メンバーには、手塚治虫の父、手塚粲もいた(小ネタその1)。彼らが本拠地にしていた丹平ハウスは、今治水で有名な丹平製薬(→http://www.tampei.co.jp/kaisha/history/history.htm)の建てた商業ビルで、赤松麟作の洋画研究所もここにあった(小ネタその2)。そういえば、丹平ハウスも絡む展覧会も大阪で行われる(→http://www.city.osaka.jp/kyouiku/press/press041207.html)。
運転手さんの話によると、どうも丹平倶楽部は一度解体したものの戦後復活し、団体として大きくなりすぎたため、大阪丹平倶楽部、兵庫丹平倶楽部、京都丹平倶楽部の三つに別れたが、前二者は改名し、今「丹平」の名前を残すのは京都だけらしい。いやあ、驚いた。他にも戦前から続いているクラブもあるんだろう。