『アメリカの器物』
ひさびさに文献紹介を。
American Artifacts: Essays in Material Culture
- 作者: Jules David Prown,Kenneth Haltman
- 出版社/メーカー: Michigan State Univ Pr
- 発売日: 2000/09/20
- メディア: ペーパーバック
- クリック: 43回
- この商品を含むブログ (27件) を見る
- ジュールズ・デイヴィッド・プローン「前書き」
- ケネス・ハルトマン「序論」
- ジュールズ・デイヴィッド・プローン「マテリアル・カルチャーの真実――歴史か、フィクションか?」
- ロビン・アスルソン「古き炎に魅せられて――20世紀後半のルーサイト〔半透明アクリル〕・ライターにおける逆説と幻影」
- ジェフリー・コリンズ「酒のなかの死?――帝都ニュー・ヨークにおける死とワイン入れ」
- サラ・ローレル・ホルスタイン「裁縫と種蒔き〔Sewing and Sowing〕――アーミッシュ・キルトの文化的連続性」
- デイサン・マクレーン「〈ブワット・セクレ〉を開ける――ハイチの貯金箱の秘密」
- レスリー・シャノン・ミラー「さまざまなイヴの姿――19世紀後半のコルセットに見られる女らしさのスタイル」
- ジョエル・フィスター「機械の中の庭園――19世紀中盤の二筒式応接間ストーヴを文化的なテクストとして読む」
- ジェニファー・L・ロバーツ「ラヴァ・ライトについての黙想――60年代アメリカにおける技術主義、対抗文化、封じ込め政策」
- カルロ・ロッテーラ「歩行者用鉄橋における産業、自然、アイデンティティ」
- ルーシー・ステー「家宝――金メッキ時代〔南北戦争後の時代〕の鼈甲製ロケット」
- エイミー・B・ワーベル「フォーリー社製フード・ミル」
- ウェイリ・イェ「家庭の光――アルガン燈におけるジェンダーの弁証法」
5月に、ニュー・ヨークで日本のマテリアル・カルチャーとヴィジュアル・カルチャーに関するシンポジウムがあって、発表させて貰うことになった。そのシンポジウムの趣旨は、発表者各人がひとつのモノあるいはイメージを採りあげ、それを徹底的に読むというもので、そうした試みのモデルとして、主催者の一人であるジョージタウン大学のジョルダン・サンドさん(http://www.georgetown.edu/departments/asian/f_sand.htm)に薦められたのがこの本。
各論者が、19世紀から20世紀にかけてのアメリカの「器物artifact」を徹底的に読み込み、その文化的コンテクストやイデオロギーなどを辿っていくというもので、採りあげられているモノは、美術工芸品や歴史的価値のある遺物ではなく、完全にヴァナキュラーなモノばかり。とくに薦められたラヴァ・ライト(バーとかにある、不定形の色つきの物体が液体のなかで形を変えるもの)に関するロバーツ論文から読んでいこう。
なにしろ、多分アメリカでは有名で、馴染みのものが多いんだろうが、いかんせん知らなかった器物がおおいので、上の訳にはそれほど自信はありません……
ちなみに12のステー(この読みでいいのかな? 原綴はSoutter)が、写真ロケットについて書いています>id:photographologyくん。