『視覚的リテラシー』

Visual Literacy

Visual Literacy

ジェームズ・エルキンズが、アイルランドのコーク大学で主催した大学教育における視覚的リテラシーの問題に関するカンファレンスおよび展覧会をベースに作り上げた本。ミッチェル、スタフォード、クレーリーといったおなじみの面々も並ぶ。視覚的リテラシーを、「概念化」「美術以外のイメージ」「政治性」「教育法」の4つの視点からの論文が収録されている。


ジェームズ・エルキンズ編『視覚的リテラシー

  • ジェームズ・エルキンズ「視覚的リテラシーの概念とその限界」
  • 1, W・J・T・ミッチェル「視覚的解読能力〔Visual Literacy〕か文字的視覚性〔Literary Visualcy〕か?」/「イメージ学の四基礎概念」
  • 2, バーバラ・マリア・スタフォード「残りの10パーセント――自己組織化脳の時代における感覚的知識の役割」
  • 3, ジョナサン・クレーリー「19世紀の視覚的無力性」
  • 4, ジョン・シモンズ「視覚的リテラシーからイメージ能力へ」
  • 5, ピーター・ダロウ「視覚的複合体――視覚的リテラシーにおけるいくつかの脱領域的次元を位置づける」
  • 6, スーザン・シフリン「北アメリカの中学校における視覚的リテラシー――文系中心学習、教室、視覚的リテラシー
  • 7, ウィリアム・ワシャボウ「大学学部レヴェルにおける視覚的多文化主義の哲学的基礎」
  • 8, ヘンリク・エンクィスト「臨床的イメージと患者側からのイメージのギャップを橋渡しする」
  • 9, マシアス・ブラーン、ヴェラ・デュンケル「文化的テクノロジーとしてのイメージ」
  • 10, リチャード・K・シャーウィン「現在進行形の視覚的リテラシー――『イメージの時代の法』」
  • クリストファー・クロウチ「あとがき」

「アート・セミナー」シリーズ『風景の理論』 - 蒼猴軒日録を参照)など、本当にエルキンズは精力的に活動してるなぁ。エルキンズは、現在、シカゴ美術館付属校の美術史/美術理論/美術批評のチェアを務めている。彼の履歴はここ→http://www.jameselkins.com/html/resume.html。詳しい履歴を見ると、博士はルネサンス美術研究で取っているらしい。写真を見ると、なかなかひょうきんなお顔で。


エルキンズについては、佐藤啓介さんによるhttp://www.h7.dion.ne.jp/~pensiero/database/elkins.htmlで簡潔かつ的確に紹介されている。