京都最古の本屋は?

上で「京都最古」と書いたけど、日本最古の一覧 - Wikipediaによると、永田文昌堂浪江書店 (ナミエショテン)::京都府書店商業組合::書店紹介というところが京都のみならず日本最古の現存する書店だという。ここも慶長年間創業。


どういうことだろうと調べてみたら、「老舗出版社の歩みから見る近代京都の出版史」(『図書館きょうと』No. 40、京都府立図書館、2003年1月)という文献のpdfが引っかかった。pdfダウンロードはこちら法蔵館5代目の西村七兵衛という人による読書週間記念講演会の要旨らしい。これは興味深い。近世から近代にかけての京都の仏教書系の出版史が一目でわかる。


要するに、慶長年間に、平楽寺も、永田文昌堂のもととなる菱屋文昌堂も、そして法蔵館『カミとホトケの幕末維新』 仏教書専門出版と書店の法藏館 −仏教の風400年−の系譜の大もととなる丁字屋護法館もみんな 創業したらしい。なるほどと納得。どっちが早いかは、言えないんだろう。


ここまで調べて本棚を見たら、今田洋三氏の『江戸の本屋さん―近世文化史の側面 (NHKブックス 299)』が目に留まる。今田氏とは、ボクの師匠が非常に尊敬していた方であり(師匠がそのように言うのは非常に非常に珍しいことである)、「一度、紹介するわ」と言っていただいた。残念ながら、その直後くらいに亡くなり、それは叶わなかったが。で、とにかくその本の第一章が「京都町衆と出版」というもの。昔、きちんと読んだはずなのに忘れていた……、赤面。今から再読します。