『美術フォーラム21』:特集「物質性/マテリアリティの可能性」
というわけで、ついに出来ました! 私とジョルダン・サンドさんが共同編集した特集「物質性/マテリアリティの可能性」が所載された『美術フォーラム21』20号。サンドさんとグレゴリー・フルークフェルダーさんが編集し、私も寄稿している『インプレッションズ』30号――特集「絵とモノ――日本における視覚文化と物質文化を架橋する」 - 蒼猴軒日録から選んだ翻訳論文に書き下ろし論文を加えて「物質/物体/モノ」の問題に様々な領域からアプローチした、なかなかに濃い企画だと思います。寄稿者の皆様、編集者、出版社の関係者の皆様、ありがとうございます。
まだ書店やアマゾンには出ていないと思いますが、また出たら紹介いたします。
他にも論文は載っておりますが、とりあえず特集の部分だけの目次を紹介します。 折角なので、全体目次です。
『美術フォーラム21』第20号、醍醐書房、2009年11月
- 古礀研究一
- マニー・ヒックマン「画僧明譽古礀(1613〜1717)の概要」原田平作訳 4
- 資料紹介
- 浅野秀剛「寛政期の東西の役者絵三種」 16
- アトリエ訪問
- 現代作家紹介
- 岩城見一「石田知史 パート・ド・ヴェールの可能性を求めて」 28
- 美学論考
- 新田博衞「ヘラクレイトスの美学(下)」 34
- 特集:物質性/マテリアリティの可能性(編集:ジョルダン・サンド、佐藤守弘)
- ジョルダン・サンド「ちゃぶ台論をひっくり返す――小寺家の食習慣」天内大樹訳 47
- ルイーズ・アリソン・コート「日本へ渡来したある中国緑釉壺――桃山時代に始まる新たな色彩美学の源泉」更井貴子・中野志保訳 51
- 鈴木廣之「仏像はいつ、彫刻になったのか――一八七〇年代のモノの変容」 56
- グレゴリー・フルーグフェルダー「『タイガー』、玩具の銃」岩城覚久訳 62
- ジャイルズ・リキター「N501i――持ち運べる新世界としての携帯電話」松谷容作訳 67
- 中谷礼仁「ナンドの生産性――化モノ空間のための補遺」 72
- 木下直之「その後の井伊直弼銅像」 78
- モーガン・ピテルカ「楽の建水と一枚岩的誠実性の諸問題」林田新訳 83
- 金井直「石膏像小史――起源と変容」 87
- ケン・タダシ・オオシマ「渡辺義雄による岡田邸の写真」鈴木恒平訳 93
- 手塚美和子「何度も何度も想像せよ――山口晃による〈源頼朝像〉の複製」増田展大訳 97
- 水野千依「ルネサンスの奉納像――〈痕跡〉と〈分配されたパーソン〉」 101
- 佐藤守弘「擬写真論――肖像写真の転生」 109
- 前川修「物としての写真/写真としての物」 116
- 佐藤啓介「物質と時間――痕跡としての物質性」 122
- ヘンリー・スミス「一畳敷再訪――十九世紀日本のモノにおける信仰と遊戯」佐藤守弘訳 127
- 執筆者紹介 136
- 表紙解説
しかし、編集というのがこれほど大変だとは思っていませんでした。私の怠惰で多方面にご迷惑をおかけしたかと思います。陳謝いたします。