2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧

きわめて理性的な頭蓋骨

一昨日言及したラーファーターのコレクションから、《きわめて理性的な頭蓋骨側面と理性的な影》。 彼は、観相学の研究を進めて行くにつれ、頭蓋骨に興味を抱きはじめる。そこで彼が到達した結論は、額の角度が垂直に近いほど理性的であり、人間として優れて…

diatxt.

『diatxt.』誌で、8回に亘り連載していた「ピクチャリング・キョウト--観光と視覚文化」も最終回を迎えた。最終回は、黄華山の描いた《花洛一覧図》をネタとした「京都を一目で--《花洛一覧図》の欲望」。下のコメントにナイスなつっこみを入れて頂いているi…

バルト

「ブログ王」「IT力士」「角界の真鍋かおり」こと普天王(初日 ○寄り倒し VS 横綱・朝青龍関!!! | 現役力士「普天王」どすこい大相撲日記 Powered by アメブロ)が朝青龍を破ったことで盛り上がっている秋場所だが、もう一つ話題が今場所、十両にあがった…

痕跡ネタ

痕跡nya→記念にだnya 旧作品No.17888 | pya! (ネタサイト)。

シルエット

18世紀に流行った影絵の肖像画。ちなみにトリヴィアと言うには、人口に膾炙しすぎているかもしれないが、「シルエット」とは人名である。18世紀フランスの大蔵大臣、エティエンヌ・ド・シルエットが倹約を唱えて、肖像画は影絵で充分だと言ったからだとか。…

フィジオノトレース

影絵というのも、人の痕跡を写し取る技術の一つである。18世紀のヨーロッパで爆発的に流行した観相学(フィジオノミー)において、影絵というものは、人の顔の特徴を端的に表すものとされた。観相学を大成したスイスの牧師、ヨハン・カスパー・ラーファタ…

御手印

水無瀬神宮に伝わる《後鳥羽天皇宸翰御手印置文》。隠岐に流された後鳥羽院の遺言状である。べったりと押された手形が、文書の効力を強めるとともに、死にゆく天皇の遺志を伝える。「自筆」という痕跡と「手形」という痕跡と。インデックスの二重化作用。

植田まさし

これは凄い→植田まさし風 似顔絵ジェネレーター ( ホームページ ) - ■裂斬ブログ■ - Yahoo!ブログ。植田まさし風似顔絵ジェネレーターだって。ネタもとはhttp://airoplane.net/archives/002407.html。

森村泰昌展

砺波市美術館で開催される「自分をめぐる物語/森村泰昌のセルフ・ポートレート」展(http://www.city.tonami.toyama.jp/shisetsu/bijyutu/kikaku.html#03)の企画で森村さんとトーク・ショーを行うことになりました。「写真の現在と写真家アーネスト・サト…

押隈

押隈とは、歌舞伎役者が芝居の後、顔を布や紙に押し当て、その隈取りを写したもののことをいう。写真は、8代目市川団十郎の押隈(立命館大学アート・リサーチ・センター所蔵→http://www.geocities.jp/kiemon2/osiguma.html)。「にらみ」で知られる団十郎は…

Ska-ta-shock!

イギリス人(ギャズ・メイオール)が、ジャマイカのリズム(スカ)に乗せて、ロシア民謡(カチューシャ)を日本語(「リンゴノハナホコロビ、カワモニカスミタチ・・・」)で歌う。あまりにもマルチ・カルチュラルで訳分からんことになっているけど、なんか…

無機械写真法

デスマスクだけが痕跡の技術ではない。拓本という技術もその一つである。ポジティヴ・ハンドもその一種と言えるかもしれない。 「反骨のジャーナリスト」にして「大奇人」たる宮武外骨先生、『滑稽新聞』に読者から寄せられた、編集人の写真を見てみたいとい…

デスマスク2

文学者サー・ウォルター・スコットのデスマスク。長頭。デスマスクのおそらくは唯一の研究書、エルンスト・ベンカアト『永遠の貌』(id:morohiro_s:20050212参照)の図版から。 デスマスク自体の歴史は古いようである。ローマで家の中に祖先の肖像を掲げると…

デスマスク

漱石のデスマスクである。昨日挙げた『漱石の思ひ出』から引用。 この亡くなった夜、たしか森田〔草平〕さんかの発議で死面(デッス・マスク)を取ることになり、大塚〔保治〕さんのお識り合いの新海竹太郎さんを煩わして原型をとっていただきました。もう真…

写真の呪力

漱石夏目金之助は、胃の痛みを訴えて1912年11月22日に床に就いた。宿痾の胃潰瘍の所為であった。12月に入っても、そのまま容態は悪くなる一方であった。多くの友人や門人が見守るなか、衰弱の度はひどくなる。妻の鏡子は、このように回顧する(『漱石の思い…

顔出し

大学のサイトに、展覧会レポートの監修者として、顔写真が載った。妙ににこやかに笑ってる。あと、顔に肉が付いてきたような気が・・・ http://www.kyoto-seika.ac.jp/exhibition/member/index.html。

文献講読@同志社

秋学期に同志社大学文学部美学芸術学科で担当する文献講読で使用するテキストの序章を試訳したものをアップした(講読で使うのは、第一章のホール「表象のはたらき」)。ダーっと訳して、推敲もまだ済ませていないが、大きな間違いはないはず。受講予定の人…

メランコリア

「千円札写真」と同じ時に撮影されたもの。四分の三正面、バスト・アップのポーズ。思索に耽っているようなポーズに平穏な表情。目を細めたまなざしは、どこへ向けられるでもなく、虚空を彷徨う。俗に〈レンブラント光線〉と呼ばれるライティングが、暗闇の…

千円札

この間まで発行されていた千円札(「D千円券」というらしい→http://www.npb.go.jp/ja/banknote/re-dken3.html)の肖像のもとになった漱石の肖像写真。1912年9月。明治天皇の大葬のときに、京橋にあった小川一真の写真館、玉潤館で撮影したものである。「大葬…

大丈夫なのか?

今秋の同志社でする文献講読のために翻訳をしている。文献はRepresentation: Cultural Representations and Signifying Practices (Culture, Media and Identities series)の第一章、ステュアート・ホールによる"The Work of Representation"を予定していて…

笑ふ漱石

書斎の漱石先生(『ニコニコ』という雑誌に掲載された)。少し笑みを浮かべているようである。しかし先生、この写真相当お気に召さなかったようである。『硝子戸の中(うち) (岩波文庫)』にこうある。 電話口へ呼び出されたから受話器を耳へあてがって用事を…

ネガティヴ・ハンド

痕跡ネタ。今日は、港千尋『洞窟へ―心とイメージのアルケオロジー』で、ネガティヴ・ハンドを復習。ネガティヴ・ハンドとは、先史時代の洞窟絵画のうち、手をかたどったもののこと。世界のさまざまな洞窟で発見されている。手を洞窟の壁に押しつけ、その輪郭…

手形

インドネシア、スラウェシ島の洞窟のネガティヴ・ハンド。