コレクション論
昨日は、ポミアン『コレクション』読書会に参加。メディア論の視点からミュージアムを研究されているMさんにもはじめてお目に掛かる(学部が違うのでお会いする機会がなかった)。
とりあえずポミアンを読んでみたが、まずは参加者同士が語彙を共有することが必要と感じ、次回は展示の歴史や、フーコーの「モノの秩序」に関する考えを解説した文章をいくつか(下のリストで太字になっているもの)を読むことにする。
ついでに以前挙げた(展示論ビブリオ - 蒼猴軒日録、展示論ビブリオ2 - 蒼猴軒日録)、日本語で読めるコレクション/展示論のビブリオグラフィをまとめ直す。まだまだ氷山の一角。近現代のミュージアムに関する書籍が足りないが、とりあえずはこんなところで。
- 総論
- ミシェル・フーコー『言葉と物―人文科学の考古学』
- 渡辺守章、渡辺保、浅田彰『表象文化研究―文化と芸術表象 (放送大学大学院教材)』
- クシシトフ・ポミアン『コレクション―趣味と好奇心の歴史人類学』
- 日本記号学会編『コレクションの記号論 (記号学研究)』
- ジョン・エルスナー、ロジャー・カーディナル『蒐集 (Kenkyusha‐Reaktion Books)』
- 東京文化財研究所編『うごくモノ 「美術」以前の価値とは何か』
- 驚異の部屋
- 高山宏ほか『表象の芸術工学 (神戸芸術工科大学レクチャーシリーズ)』
- バーバラ・M・スタフォード『グッド・ルッキング―イメージング新世紀へ』
- 古典主義時代
- バーバラ・スタフォード『アートフル・サイエンス―啓蒙時代の娯楽と凋落する視覚教育』
- ポーラ・フィンドレン『自然の占有―ミュージアム、蒐集、そして初期近代イタリアの科学文化』
- 万国博覧会
- ヴァルター・ベンヤミン『パサージュ論 (岩波現代文庫)』
- 吉見俊哉『博覧会の政治学―まなざしの近代 (中公新書)』
- 吉田光邦編『万国博覧会の研究』
- 同編『図説万国博覧会史―1851‐1942』
- 松村昌家『水晶宮物語―ロンドン万国博覧会1851 (ちくま学芸文庫)』
- ヴォルフガンク・シヴェルブシュ『鉄道旅行の歴史―19世紀における空間と時間の工業化』
- 百貨店と展示
- 鹿島茂『デパートを発明した夫婦 (講談社現代新書)』
- 初田亨『百貨店の誕生 (三省堂選書)』
- 神野由紀『趣味の誕生―百貨店がつくったテイスト』
- 近代ミュージアム
- 『武蔵野美術』No. 104=特集:展示/場/美術館--美術作品の公開
- インデパル・グレイワル「国家の〈主体=臣民〉構築--大英博物館とそのガイドブック」リサ・ブルーム編『視覚文化におけるジェンダーと人種―他者の眼から問う』
- ピエール・ブルデュー、アラン・ダルベル、ドミニク・シュナッペー『美術愛好―ヨーロッパの美術館と観衆』
- 他者の展示
- 吉田憲司『文化の「発見」―驚異の部屋からヴァーチャル・ミュージアムまで (現代人類学の射程)』
- ジェームズ・クリフォード「部族的なものと近代的なものの歴史」「芸術と文化の収集について」『文化の窮状―二十世紀の民族誌、文学、芸術 (叢書・文化研究)』
- ウィリアム・ルービン編『20世紀美術におけるプリミティヴィズム―「部族的」なるものと「モダン」なるものとの親縁性』
- パトリシア・モルトン『パリ植民地博覧会―オリエンタリズムの欲望と表象』
- 日本
- 岸文和、中村興二編『日本美術を学ぶ人のために』
- 今橋理子『江戸の花鳥画―博物学をめぐる文化とその表象』
- 鈴木廣之『好古家たちの19世紀―幕末明治における“物”のアルケオロジー (シリーズ・近代美術のゆくえ)』
- 岸文和「明治十九年のギャラリー画--松浦武四郎コレクションの欲望について」『美術フォーラム21』12号
- 北澤憲昭『眼の神殿―「美術」受容史ノート』
- 国立歴史民俗博物館編『収集家100年の軌跡−水木コレクションのすべて』
暮沢剛巳氏によるウェブ連載『変容するミュージアム――21世紀美術館研究』も要チェック。
コレクション/展示について考えていることは、これまで何回か、この日録でも書いてきた。参加者は御一読を。