今日の一曲"Everyday Sunshine"

フィッシュボーン『リアリティ・オヴ・マイ・サラウンディングス』所収、ソニー/コロンビア、1991年
1980年代後半にデビューしたフィッシュボーンは、最初から異様な存在だった。デビューのミニ・アルバムでは、2トーンをより加速したスカにP−ファンク風のコーラス、いってしまっている唄と、すでに所在不明、所属不明であった。たしか僕が高三のときにそのアルバムが出たんだと思うが、同い年というのを知って腰を抜かした覚えがある(ちなみにマイク・タイソンも同い年)。その後彼らは、ファンク、ハードコア・パンク、ヘヴィー・メタルと貪欲に何もかも飲み込んでいき、レッド・ホット・チリ・ペッパーズとともに西海岸のハイブリッド・ロックの雄となった。ただレッチリが順調に進んでいくのに対し、フィッシュボーンに対する評価は必ずしもいいものではなかった。批評家やマニアの評価は相当高かったものの、セールスにはつながらなかったようだ。実際、そこには人種の問題が抜きがたく関わっていたにちがいない。アフリカン・アメリカンということで、白人ファンが定着する訳でもなく、一方、ロック色の強いことから黒人ファンからも敬遠されてしまう。残念なことに。
フィッシュボーンの直面した問題は、ブラック・ロックと言われるグループにある程度共通するものかもしれない。初期のファンカデリックマザーズ・ファイネスト、リヴィング・カラー、24-7スパイズ、バッド・ブレインズなど。もしかしたらジミ・ヘンドリクスでさえも出会ったかも知れない。ファンカデリックが"Who Says a Funk Band Can't Play Rock?!"と挑発し、マザーズ・ファイネストが反語的に"Niggazz Can't Sing Rock & Roll"と唄ってしまうのもよく分かる。レニー・クラヴィッツなんかは、クリアしているように見えるが、アフリカン・アメリカンのオーディエンスにどれほど受け入れられているかは分からないし。
今日の一曲は、91年に発表されたアルバム『リアリティ・オヴ・マイ・サラウンディングス』(これは名作!)から「エヴリデイ・サンシャイン」。すかっと抜けたスライ風のサウンドからはじまり、最後には倍転してゴスペルのように盛り上がっていく。彼らの到達点であったと思う。
関連日録:id:morohiro_s:20041024#p1

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The Reality of My Surroundings

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