庭・タトゥー・少女
突如お誘い頂いた発表の機会。最近、仕事に追われてきちんと研究してなくてやばいなぁと思っていただけに、「はい、やらせてください」と勢いよく大声で引き受けてしまったものの、さてどうしよう。発表までは二ヶ月ちょい。ゼロから始めるわけにもいかず、すでにやったもののなかから積み上げていくとすると、といろいろ考えた結果、とりあえずは19世紀末の横浜写真や旅行記を手がかりに〈日本の表象〉の問題で行こうかと。
キーワードは、庭とタトゥーと少女。庭とは、明治くらいの欧米人の旅行記などに、日本を「庭のように」と評するコトバが頻出することから。これに関しては、とりあえずスーザン・スチュワートのミニアチュール論を読み返す。
- Susan Stewart, On Longing: Narratives of the Miniature, the Gigantic, the Souvenir, the Collection
- これは、高山宏氏が『憧憬論』として翻訳を出すとの話だが、なかなか出る様子がない。一部(スーヴェニア論)は、以下に訳出。
- スチュワートに関しては、四方田犬彦『「かわいい」論 (ちくま新書)』でも言及されている。
近代における「日本庭園」の構築や、欧米における「Japanese Garden」の流行(モネのジヴェルニーから現代まで)も調べなきゃ。
タトゥー/彫物は、横浜写真に文身の労働者の写真がよく見られるだけでなく、何人もの欧米人が日本で彫物をして帰ったということから、面白いなと思って。これに関しては以下を。
- Christine Guth, Longfellow's Tattoos: Tourism, Collecting, And Japan
- 山本芳美『イレズミの世界』
三つ目の「少女」は、以前から気になっているもの。横浜写真には、遊郭での写真が多いのだが、その中に二人の少女(花魁ではなく禿)が寄り添って、どことなくエロティックな雰囲気を漂わせて写されているものが多いことが気になっていたことから。ジェンダーの問題、セクシュアリティの問題と絡むことだろうけど、これに関しては少し後回し。
三つとも扱うのか、どれかひとつにするのか。まだ全然見えていないが、とりあえず着手。