ブラック・ウフル+スライ&ロビー

ブラック・ウフル*1のライヴ盤。高校生の頃、ボブ・マーリー、マイキー・ドレッド*2に続いて聞いたレゲエだと思う。だからレゲエの原体験に位置するアルバムである。

Tear It Up - Live

Tear It Up - Live

リズム隊はいわずと知れたスライ&ロビーである。とにかくスライ・ダンバーの刻むビートが格好良い。で、そのベース・ドラム8つ打ちの前のめりな性急なビートを、ロビー・シェークスピアのベースが後ろ後ろへと引き戻す。ツッコミとモタリの微妙なグルーヴは逸品である。普段は、ルーツ・ラディックスのシンプルなトラックの方が好きだけれど、たまに聞くとやっぱ凄いわ、スラロビ。
で、ウフル+スラロビは、この辺りから途方もない規模で世界進出をしていく。おそらくアイランド・レーベルによる「第二のボブ・マーリーを」という思惑があったのだろう。日本にも来た。見に行った。万博お祭り広場で行われたライヴ・アンダー・ザ・スカイである。こういう「ジャズ」のイヴェントにウフルを呼んだというのも面白い。ウフルが一番目で、ギル・エヴァンス・オーケストラ+ジャコ・パストリアス(ジャコは既にヘロヘロだった・・・)とハービー・ハンコック・バンド(「ロック・イット」! DSTがこすっていた)。演奏としては、ウフルがダントツだったという記憶がある。
この後。ブラック・ウフルを足がかり(踏み台?)にして、スライ&ロビーは、どんどん売れていく。ミック・ジャガーとやったり、渡辺香津美ともやってたっけ。ビル・ラズウェルと組んだRhythm Killersは、P-Funkブーツィー・コリンズ、バーニー・ウォレル)、フリー・ジャズ(ヘンリー・スレッジル)、ヒップ・ホップ(グランドミキサーDST)、ダンスホール(シャインヘッド)と、とりあえず集められるだけ集めて、オハイオ・プレイヤーズの「ファイヤー」をやってしまうというもので、なんか80年代後半の「なんでもあり」を体現したようなアルバムだった。さらには、KRSワンやクイーン・ラティーファともやってたっけ(Silent Assassin=asinが見つからん)。ニューヨークで、7th・アヴェニュー・サウスというレーベルを立ち上げて、グラウンド・ビート風のレゲエをやったりもしていた。その傍らで、ちゃんとジャマイカダンスホール・シーンの仕事もこなしてた訳で、本当に働き者。
こないだ買ったマッド・プロフェッサーの Dancehall Dub にも参加していた。

*1:「ユフル」と読むという話もあった。「Uhuru」とは、スワヒリ語で「平和」の意らしい。

*2:これは当然、クラッシュとの関係から