Travel Agency Garden

ニューヨーク在住(現在は東京)のアーティスト、林亨氏の作品がアップされているページ。

知り合ってほぼ10年になる。
作品には、セントラル・パークや詩仙堂など、観光名所の名前が付されていて、そうした名所を林氏のイメージ(全くその場所とは似ても似つかない抽象的イメージ)で巡る「トラヴェル・エージェンシー・ガーデン」というプロジェクトが仕事のメイン。その「名」と描かれた形態の乖離(あるいはunfamiliarな感覚といったらしいか、strangerとしての受容者というか)のなかで、制作者の場所表象と受容者の場所表象の接点を探るものであると本人は言う。
僕自身としては、以前書いた(沼沢眩暈 - 蒼猴軒日録)中塚君のイメージの「幽か」さに通じるものを感じた。見えるか見えないか、あるかなきかの形態を、じっと眼を凝らして捉えるという経験の面白さ/不思議さ。そうした幽かな形態(あるいはサーフェス)に受容者を巻き込むような仕掛けがあれば、より興味深いかなと思う。