2005-01-01から1年間の記事一覧

人類学と写真

最近、進展著しい19世紀の写真の研究において、人類学写真というのは、いわば一つの起爆剤のようなものであった。「芸術的な」肖像写真の他者として、ポストコロニアル批評やジェンダー研究の影響下、監視とスペクタクルの問題、他者表象の問題、肖像と「内…

色眼鏡

急に目が真っ赤になって、こないだの学会では会う人ごとに心配を掛けたが、今日眼科に行ったところ、知らない間に結膜下出血というものを起こしていたらしく、名前は大層な割りには別に大したことはなくて、血が引くのを待つだけなのだが、血が吸収され切る…

熊谷元一

写真家・熊谷元一とメディアの時代―昭和の記録/記憶 (写真叢書)作者: 矢野敬一出版社/メーカー: 青弓社発売日: 2005/12メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (6件) を見るアマチュアとして、現在も自らの棲む村の記録を撮り続けている熊谷を…

ネコと人間

ヒトと動物の関係学会の公開シンポジウムに出かける。自分自身の研究とは関係なく、タダの猫者として参加。 渡辺千香子氏「古代メソポタミアの帝王とライオン」。氏のことは、彼女とかつて同僚だった二人の研究者からいろいろと聞いていて、楽しみにしていた…

昼寝の邪魔

近所の鏡屋さんの犬。日向であまりに気持ちよさそうに寝ていた。写真を撮ろうと思って近づくと、敏感な犬で「何じゃい」と頭を起こす。「邪魔して堪忍」と退散する。

マンガの始源?

日本のマンガにはさまざまな「始祖」が設定されてきた。たとえば鳥羽僧正、葛飾北斎、耳鳥斎、歌川国芳、月岡芳年、その他無名のさまざまな絵巻、大津絵、鳥羽絵などにおける戯画師たち。近代で言えば、小林清親だったり、柳瀬正夢だったり。それらの始源に…

学会

映像学会に行ってきた。鈴木君、タン君お疲れ様。で、あしたはネコ学会(今後のお知らせ)を覗いてみよう。

夢路いとし

まあ、味は旨かった。

講義x2

芸術学概論。オリエンタリズムと他者表象。ヨーロッパにとってのイスラーム世界とは(「心の奥底から繰り返し立ち現れる他者イメージ」byサイード)。オリエンタリズム絵画の分析。横浜写真の話。パノプティコンと視線の内面化。『パリ、テキサス [DVD]』に…

映像学会

明日の学会。以前も告知したが。 日本映像学会関西支部第45回研究会 12/17 午後2時〜、於同志社大学寧静館5階会議室(http://www.doshisha.ac.jp/access/ima_campus.html) 鈴木恒平(神戸大学大学院)「トーマス・シュトルートの都市写真について」 陳維錚 …

立方体

セレンディピティもいいけど、四角形も忘れたらあかんよとばかりに眼に飛び込んでくる立方体。『三人の記号―デュパン,ホームズ,パース』の表紙より。ロッツという学者が、トルコ語の母音体系を説明するために作った図で、「三つの絶対的な二項対立を使って八…

講義、講読

美術史特講(院)。前フリとして週末に行ってきた展覧会の話と昨日届いたトーマス・シュトルートの写真集Museum Photographsと、紙が良すぎて異常に重いウィリアム・ルービン編『20世紀美術におけるプリミティヴィズム―「部族的」なるものと「モダン」なるも…

パンクとスタイル

昨日のつづき。 パンクがスタイルではないとすれば、スタイルのあるものとは何か。モッド/スキンヘッド文化を、その代表として考えて良いのではないかと思う(勿論、テディー・ボーイでも、ロッカーでも良いのだが)。その服飾における細かいルール、クラー…

パロディ

勤めていながら、あまり知らないのだが、大学がビラ清掃を告知したのだろうか。他の大学に比べると格段にビラ、チラシの類が多く貼られている精華大なのに、という気もする。で、それに反対するビラが貼られていた。「ビラは大学の歴史的文化だ!」とあり、…

講義

日本美術史(留学生)。幕末から近代初期(大日本帝国憲法発布くらいまで)にかけての歴史。19世紀の世界情勢。近代、資本主義、国民国家。日本国内の政治情勢などなど。基礎知識として。

セレンディピティ

「些細なものから、見えないものを把握するための推論的パラダイム」。この話は、路上の写真家からはじまり、パースの記号論やフロイトの精神分析、美術史におけるモレッリ法、さらには「視覚的無意識」やシュルレアリスムにおけるオブジェ・トゥルヴェ、探…

アティテュード

「パンクとは、姿勢のことであり、音楽のスタイルのことではない〔Punk is an attitude, not a style of music.*1〕」というジョー・ストラマー*2の有名な言葉は、これまでほぼ、精神論(「パンクは生き様*3の問題」とかね)で語られてきたけど、これを読み…

写真論の古典

昨日のリーダーは、現在におけるさまざまな写真論の見取図を示すものだが、タイトルが示唆するように、『写真に関する古典的著作』は写真創生期からの「古典」的な著作を集めたものである(昨日のが「御三家」以後なら、これは「御三家」以前が中心)。昨日…

建築写真

ミシオン・エリオグラフィックから現代に至る建築写真(あるいは建築表象全般)には、ずっと興味を持っている。風景イメージ論の流れで、一度腰を据えて取り組まなければいけないと思っている。 で、「すまいろん」誌で建築写真特集をするみたい(http://www…

豚カツ屋の塩豚と爪楊枝豚。

現代における写真論

アメリカの写真研究の系譜としては、至極大雑把に言うと、MoMAの写真部門を中心とするモダニズム美術史をモデルとして写真をフォーマリスティックに読み解く現場的な系譜(ニューホール→シャーカフスキー→ガラシ)と、それに対する批判から起こった『オクト…

世界のコマーシャル

『広告批評』11月号(特集:世界のコマーシャル2005)=世界のCMのCD-ROM付き。 id:morohiro_s:20040818:p3で書いた「仮装大賞」の人が技術指導したという、ペプシの「マトリックス・ピンポン」が入っていた。

満艦飾

寺町二条の角の店。いつも夕方くらいから午後10時くらいまで、遅がけの商売をやっている。サーファー系の店らしいが、帽子などがいろいろあるので、たまに買う。今日は手袋などを購入。

訃報:リチャード・プライヤー

id:deadman2:20051211:richardpryor経由で。 アフリカ系アメリカ人のコメディアン。アット・ホームで安全なビル・コスビーに対して、危険な差別ネタ、ドラッグネタ、犯罪ネタを連発するプライヤーは、なんとなくマーティン・ルーサー・キングに対するマルカ…

街のブレイク屋

ヨドバシカメラからは、結構ネット通販で色々買っていて、ポイントも溜まっているのだが、なかなか店に行く機会がないのでポイントを使う機会がない。ネットでも使えるようにして欲しいのだが。来年には、京都の近鉄百貨店(古い人はいまだに「マルブツ」と…

迷い子の眼

で、大阪は慣れないもんで、さんざ迷う。サードギャラリーのビルが見つからず迷い(ビルの目の前で)、MEMのビルがまた見つからず、自分が何処にいるのか全く分からず不安になり。でも、迷いながらも、往路の電車で読み返してたド・セルトーの言葉を思い出し…

ものQガム卒業写真

今日は、大阪ぶらり一人旅。京都から大阪如きで「旅」もないだろうが、出不精の人間にとっては、東京も大阪も遠いことには変わりがない。京都と大阪って、多分京都と東京くらいの心象的な距離があるし。で、もの、Q、ガム、卒業写真と回った。 まずは「もの…

文献紹介:『風景と権力』

何回もこのブログで紹介しているW・J・T・ミッチェル編の論集『風景と権力』の第二版序文「空間・風景・場所」の試訳ができた(昔、大部分は訳していたのだが、最近残りをちょっとずつ訳出していた)。それに、以前訳した第一版序論とブログで書いた紹介…

タイル鳥居

大阪の路上で見付けた敷地境界に埋め込まれたタイルでくみあげられた鳥居。電柱の側にあるけど、立ち小便除けではなく、おそらくは鬼門祓であろう。こんなタイル、既製であるのか、注文で組んで貰ったのか。新鮮。

講義x2

芸術学概論。ジェンダーと視線。バージャー『イメージ Ways of Seeing―視覚とメディア (パルコ・ピクチャーバックス)』に採り上げられている《スザンナと長老たち》の例を使って。 写真論。バルトの写真論。「第三の意味」と『明るい部屋』。そのあとアンリ…